導入事例

株式会社ヤッホーブルーイング

在庫管理部門の総残業時間が 250 時間から“ゼロ”に。G Suite が社内「コラボレーション」と「コミュニケーション」の断絶を劇的に改善

社員任せだった社内システムを立て直したい

G Suite 導入前、 2013 年当時の株式会社ヤッホーブルーイングが抱えていた問題は大きく 2 つ。東京と佐久(長野県)の拠点間での情報が分断されがちになっていたことと、メールや Skype などといったコミュニケーションツールのアカウント取得・運用を各社員に任せていたこと。近年のクラフトビールブームも追い風となり、約 4 年で社員数が 40 名から 140 名に急増する中、早期の解決が望まれていた。

「チームによって Skype を使っていたり、 LINE を使っていたりというツールのばらつきのほか、個人のスマホを使って会社メールの送受信ができるようになっていましたが、そのスマホのセキュリティの確保は個人の意識に依存しており、会社としてセキュリティの担保ができにくい状況にありました。特に後者はすでに社会問題にもなっていたため、何とかしなければならないと考えていました」(同社・西川 季宏氏)

“フラット”な社風が Google の文化とマッチした

弊社の企業文化として“フラット”というものがあり、それが Google の文化と親和性が高いように感じたのもありますね。

「当初から本命は G Suite (当時の名称は Google Apps for Work )でした。弊社の企業文化として“フラット”というものがあり、それが Google の文化と親和性が高いように感じたのもありますね。機能面でも、 1 つの文書を複数メンバーが同時編集できる機能が非常に魅力的でした。フラットゆえに、部署の垣根を越えたプロジェクトがとても多く、そうした機能のニーズはあると感じていました」(西川氏)

これを受けて、 2013 年 9 月に G Suite を導入。まずは社員のメール環境を置き換えるところから始め、以降、段階的に Google ドライブなど、新たな機能を使い始めていった。なお、同社にはいわゆる IT 部署が存在しないため、詳しいスタッフが率先するかたちでスキルアップを図っていったとのこと。「スプレッドシートを使った飲み会の出欠など、敷居の低いものから利用が始まり、各スタッフが勉強しながら活用のレベルを上げていきました」(西川氏)

コラボレーション、コミュニケーション双方で絶大な効果を実感

Excel に慣れ親しみすぎていたので、当初はスプレッドシートに懐疑的でした。ただ、複数メンバーで情報を入力・共有したりする作業では、スプレッドシート が圧倒的に便利。

G Suite 導入でまずめざましい効果を得られたのが“コラボレーション”の面。社内の IT リテラシーの高いメンバーが中心となって、積極的に新しい技術を試していったことが功を奏した。その 1 人である、同社 Strategy & Promotion 担当の清水 俊介氏は、主にスプレッドシートによる業務効率改善について次のように語ってくれた。

「 Excel に慣れ親しみすぎていたので、当初はスプレッドシートに懐疑的でした。ただ、複数メンバーで情報を入力・共有したりする作業では、スプレッドシート が圧倒的に便利。業務プロセスをきちんと設計した上で、上手に活用すれば簡単かつほぼゼロコストで本格的な業務システムを作りあげることができます。中小企業にとって、これは非常に力強い武器になると言えるでしょう」

その実例が、商品の在庫管理システム。ヤッホーブルーイングは酒類を扱うメーカーという特性上、酒税管理の観点から日次でシステム在庫と実在庫を照合する必要がある。 G Suite 導入までは、まず倉庫側スタッフが紙ベースで実在庫をカウントして Excel に転記、それを事務所にメール、事務所側スタッフが紙にプリントアウトしてシステム在庫と照合……といった人的ミスの温床となりかねないようなやり方で行なっていた。

「 G Suite 導入後は、これをモバイル機器からスプレッドシートに直接入力する方法に変更し、種々の機能を組み合わせることで、クラウド上で実在庫とシステム在庫を自動照合する仕組みを実現。入力開始と同時にリアルタイムに在庫ずれが可視化されるため、原因究明が劇的に正確に、高速になりました。結果、それまで受注担当者 1 名、出荷担当者 2 名で合計約 250 時間 / 月もかかっていた残業時間がほぼ“ゼロ”になったんですよ。このスプレッドシートは、今も現場のスタッフが随時アップデートさせて機能を向上中です」(同社物流担当・高橋 直也氏)

加えて、今年に入ってからは“コミュニケーション”の面においても、 G Suite の活用を拡大。その象徴とも言えるのが、ハングアウトの導入だ。各自が個別のチャットツールを使い分ける煩雑さが解消されたほか、退職者のアカウント管理など、セキュリティ性も大きく向上していると言う。

さらに、新たな試みとして、通常の Chromebox for Meetings でのテレビ会議だけでなく、長野・東京と離れた各施設を Google ハングアウトで常時接続することに挑戦。各施設に Chromebox とカメラ、大画面テレビを配置し、あたかもそれぞれの施設がつながっているような環境を構築した。特に用事のないときでもつなぎっぱなしとなるのだが、これが社員急増や遠隔地勤務による人間関係の希薄化を防止する効果が得られているとのこと。もちろん、東京の自分のデスクから、長野の会議室で行なわれているミーティングに参加できるなど、業務面でのフレキシビリティも大きく向上している。