導入事例

ロイヤルホールディングス株式会社

「DB 整理、メール容量増加、グループ会社間の一体感醸成…。G Suite へのリプレイスで根本からの改善を目指します!」

戦略企画部部長補佐 西畑 茂さん システム部システム企画課 浅見 高志さん  システム部システム企画課 中島 美雪さん

既存システムの諸問題が浮上

ファミリーレストランチェーンを展開するロイヤルホスト株式会社をはじめとして、外食事業やコントラクト事業、機内食事業、ホテル事業を運営する 12 社で構成されるロイヤルグループ。同グループでは、2011 年 4 月に G Suite を導入した。

それまでは、1997 年に導入し始めた Lotus Notes® を利用していた。

「慣れ親しんではいましたが、さまざまな問題も顕在化していました。そして、2005 年の持株会社体制への変更に伴い、グループ体制の変化に柔軟に対応できるシステム基盤を再構築する必要性に迫られることになったのです」とロイヤルホールディングス株式会社戦略企画部(システム企画担当)部長補佐の西畑 茂さんは言う。

さまざまな問題とは、まず Lotus Notes® の Work Space 上に約 2500 という非常に多くのデータベース(ある業務単位ごとにまとめられた情報およびそのトランザクションプログラム)ができて収拾がつかなくなっていたことが挙げられる。

「各部門でデータベースが必要になると、その要請に応じて作成していたのですが、不要になっても放置されたままになってしまいがちだったのです。しかし、それらの中には人事や会計システムにエントリーする重要な機能もつくり込まれていたので、なかなか抜本的に切り替えるということができずにいました」

Lotus Notes® は同社側でバージョンアップをしていく必要があったが、その際にはすべてのデータベースの動作検証やメンテナンスも行う必要があり、コストや手間の面で大きな負荷がかかっていたのである。

「 Gmail の 25 GB という容量は衝撃的だった」

さらに、末端のユーザーにとってストレスとなる問題も出現。2005 年の体制変更の前後に M&A も行ってユーザー数が数年で 25 % 増加し、システムのパフォーマンスが低下したのだ。

「メールボックスの容量は 1 人当たり 140 MB が精一杯となりました。これを超えると送受信時にアラートが表示され不便でした。270 店舗を統括している部署などは報告書や画像などを添付してやりとりすることが多く、容量オーバーのアラートを受けたユーザーから急遽『データ圧縮をしてほしい』という要請がシステム部に入るようになりました。ユーザーによっては、毎日不要となったメールを削除する手間も生じていました」とシステム更改を担当したロイヤルマネジメント株式会社システム部システム企画課の中島 美雪さんは述懐する。 グループ体制の変更で、より根本的な問題も露出した。新たにグループに加わった企業が、ネットワークの制約でイントラネット上の Lotus Notes® へすぐに参加できないという事象が発生。

「グループ全体の一体感をつくることが課題とされていた時期に、そのことは大きな問題となりました。そして、Lotus Notes® の現行バージョンのサポートが終了していることもあり、これらの諸問題を解決すべく、2010 年秋にシステムを抜本的に更改することを正式に決めました」と西畑さんは言う。西畑さんらは、それ以前から展示会などでグループウェア製品を一通りチェックし、同年 7 月頃から G Suite の無償版で使い勝手のテストも行うなどリサーチは重ねていた。「 Gmail の 25 GB という容量は衝撃的だった」と中島さんは言う。

事前リサーチで G Suite 導入が念頭に

2010 年 11 月、西畑さんらは 6 社の SIer に RFP を提示。「ネットワークの制約を受けないグループウェアポータルの構築」という大きなテーマのもと、諸問題を解決するシステム構築の提案を要請した。

「事前リサーチの結果、クラウドサービスを導入することが念頭にはありました。自社でサーバーやソフトウェアなどの資産を持つことなく、維持の手間やコストが不要なクラウドが諸問題の解決には最適な手段であり、Lotus Notes® のクラウド版含め各社の提案は予断なくフラットに聞きました」(西畑さん)

6 社中 3 社が G Suite を提案。

「以前の Lotus Notes® の機能を完全に移行できる提案はありませんでしたが、できない中で旧機能をどう振り分けるかの整理具合とコストとのバランスで、最も優れていた G Suite に決定しました。正直にいえば、ポータルサイトという点では使いづらい面もありますが、Google ならばその技術的革新力で今後の進化も大いに期待できるという点は評価しました」(西畑さん)

GSE ならインフラを気にする必要なし

2011 年 2 月から G Suite を導入しポータルサイトの構築作業に入り、東日本大震災の発生で数週間の遅れが生じたものの、4 月にはロイヤルホスト株式会社の関西地区で Gmail が先行導入された。その後の移行過程では、約 2500 あった Lotus Notes® のデータベースを約 300 に集約。「使わないデータベースを洗い出して整理統合する作業が大変だった」と中島さんは打ち明ける。

同社では、勤務実績を、Lotus Notes® に手入力させる仕組みを導入していたが、これは Google App Engine を利用しスプレッドシートでフォームを作成し各自に入力させる仕組みに移行。その移行作業を担当したロイヤルマネジメント株式会社システム部システム企画課の浅見高志さんは、次のように言う。

「オンプレミスの場合は、先々の利用度合いを見越してサーバー容量の上限を設定する必要があります。その分、使われない無駄な部分が生じたり、上限に近付いたら増強しなければなりませんでした。一方、Google App Engine はトラフィックやデータ ストレージの増大に合わせて容易にスケーリングできるので、インフラを気にする必要がなく無駄も生じないところがいいと思いますね」

同年 5 月にはロイヤルホスト株式会社でポータルサイトの利用を開始。その後漸次移行し、11 月には Gmail に切り替え。2012 年 6 月末をもって旧グループウェアのサービスを終了し完全移行となった。

使い勝手がよく浸透する Google カレンダー

G Suite 導入の結果、データセンターや保守などハードの費用がゼロになり、社員 1 名分の削減と等しいインパクトをもたらした。さらに、サーバーの管理やメンテナンスなどに振り向けていたスタッフ数を半減することができた。

G Suite 導入により、まずはメールのパフォーマンスが劇的に改善されたことが社内から評価された。

「使いやすくてレクチャーも不要でした。スレッド表示に戸惑う人もいましたが、非表示に切り替えることを伝えれば済みました」と中島さん。 Google カレンダー も使い勝手がよく、浸透し始めているという。

「 Lotus Notes® のカレンダーは使われていませんでしたが、Google カレンダー は使い勝手がよく、使われ始めているようです」(西畑さん)

G Suite 導入の結果、データセンターや保守などハードの費用がゼロになり、社員 1 名分の削減と等しいインパクトをもたらした。さらに、サーバーの管理やメンテナンスなどに振り向けていたスタッフ数を半減することができた。

「当初のコスト削減目標は達成できました」と西畑さんは満足げだ。

今後は、ほかのアプリケーションも積極的に活用していく方針である。特に、現在は通信回線の制約で使用を止めている Google ビデオ への期待値は大きい。

「現在、飲食店のスタッフ教育用に DVD を配布していますが、DVD はプレスして配布する時間やコストがかかります。これを Google ビデオ に切り替えればかなり効率化できると考えています」(中島さん)

ロイヤルグループの G Suite 導入による情報共有化の仕組みづくりはまだ始まったばかり。今後の進展が期待される。

※ G Suite (旧 Google Apps for Work )