導入事例

三井ホーム株式会社

小集団ごとに Google リーダー」を選出 G Suite の活用を促進ワークスタイルの確実な変化に導く

情報システム室 シニアマネジャー 髙橋 敏介さん 情報システム室長 長野 正人さん 情報システム室 村上 真広さん

既存メールシステムの数々の問題点

大手ハウスメーカーの三井ホームは、2014 年 7 月、G Suite をグループ会社等合わせて 6500 アカウント導入した。その直接的な契機は、2014 年 3 月末に既存メールサーバーの保守契約期間が終了することであった(後日、2015 年 3 月末まで延長)。そこで、2012 年 4 月より、次期メールシステムの検討・検証を始める。

それに先立ち、同社情報システム室では、既存メールシステムの問題点を確認。まず、冗長化のために 2 台必要であったメールサーバー以外に、同社のセキュリティポリシー上で、必要であった 2 種類のアンチウィルス用サーバー、監査用サーバー、アーカイブ用サーバーの計 5 システム 7 サーバーが必要という問題があった。

「これにより、保守運用管理や障害対応の手間、5 ~ 7 年おき、つまり 1 年に 1 サーバー以上の入れ替えによる構築作業やコストが発生するという問題がありました」と情報システム室長の長野 正人氏は説明する。

このほか、POP 型のメールシステムであったことで、4 年ごとのパソコン入替時に発生するメールデータの移行作業が大変という問題もあった。「約 4,000 台で 4,000 万円の費用および、1 台あたりデータ移行に半日かかるとしてのべ 2000 日分パソコンを利用できないというロスが発生していた」と情報システム室シニアマネジャーの髙橋 敏介氏は打ち明ける。

1 人あたりのメールサーバーのデータ容量が 100MB と小さく、メールボックスがすぐパンクしたり、Outlook Express はメール容量が 2GB を超えるとメールデータが消失してしまうというトラブルも頻発していた。サーバーはデータセンター 1ヶ所のみに設置していたことで、万一、データセンターが被災した場合にメールが使えなくなるというリスクもあった。

また、メールサーバー自体は冗長化しているものの障害が絶対に発生しないわけではなく、「過去実際にハードウェア障害により 3 日間、メールが使えなくなるという事態もありました」と髙橋氏。

Web ブラウザでメールが見られる G Suite への高評価

Web ブラウザさえあればメールが利用できる点や検索の性能、メンテナンスのための計画停止がないこと、そして永続的な機能強化による先進性といった点で、G Suite の評価ポイントが上回りました。

こういった問題点を踏まえ、長野氏らはまず従来のオンプレミス型か、クラウドサービス利用に変更するかを検討。 「初期および運用コスト、構築・導入期間、システム管理の手間、モバイル利用、機能、セキュリティなどの面で比較検討した結果、クラウドが有利という結論を得ました」と髙橋氏は言う。また、すでに数多くの大企業がクラウド型のサービスを導入しているという実績も追い風となった。

次に、具体的な製品の検討に入る。当初は、G Suite のほかに Microsoft Office365 と日本のベンダーのサービスをテスト。日本のベンダーのものはレスポンスの点で早々に落選し、残る 2 製品で半年間、実際にテスト利用しながら検討を進めた。

自社での検証だけでなく、長野氏らは両製品を先行して利用しているユーザーに使い勝手をヒアリングする。 「ある Microsoft Office365 のユーザーは、パフォーマンスを最大限にするには Outlook は最新バージョンへの更新が好ましく、その分のコストがネックであると指摘していました。一方、ある G Suite のユーザーは、Web ブラウザさえあればどこでもメールが利用出来る点を評価していました。豊富な機能がワンプライスで使える点も好評でした」(髙橋氏)

また、この間、「外部からでもメールを確認したい」という役員層の要請に応え、iPad を配布し、Web ブラウザでメールが見られる G Suite を先行して使ってもらうことにした。 「 Web ブラウザさえあればメールが利用できる点や検索の性能、メンテナンスのための計画停止がないこと、そして永続的な機能強化による先進性といった点で、G Suite の評価ポイントが上回りました。先行して使っていた役員の評判も悪くなかったです」と長野氏は説明する。

既存システムに比べ G Suite の圧倒的コストメリット

初期構築・導入費用および5年間のランニングコストは、実は以前のオンプレミス型メールシステムの再構築のほうが若干下回ったが、そのメールボックスは 1 人あたり 100MB 。G Suite と同じ 30GB にするには、コストはその何十倍もかかることが予測される。「さらに、サーバーなどのハードを保守管理する手間が一掃されることを加味すれば、比較するまでもないと思います」と髙橋氏。

G Suite の導入にあたり、情報システム室では各部署に基本的な利用法を説明して回った。「メールシステムを切り替えたことによる細かな課題は諸々あったものの、例えば、Outlook で使えた名前でのソート機能などは検索を使えばいいという説明で済んだ」と情報システム室の村上 真広氏は言う。

情報システム室では、さらに活用を促進するため、各部署(5 ~ 8 人)ごとにひとり、比較的 IT リテラシーの高い人を「Google リーダー」と称する推進役に選出してもらったという。その経緯について、髙橋氏は次のように説明する。

「ある先行ユーザーからこういう話を聞きました。当初、細かい使い方まで決めて説明しようとしたものの、それでは説明するほうもされるほうも覚えきれず、負担感が増すだけで逆効果と気づいた、と。それで、大ざっぱな説明だけで後は各職場に任せたら、みんなそれなりに使い始めたということです(笑)」

「Google リーダー」導入の効用

役員は、外部でもファイルにアクセスして資料が見れることが大変便利と評価していました。

同社でも、「Google リーダー」が G Suite の諸機能の使い方を広め始めると、さっそく若手社員がチャットを使い始めるといった効用が現れ始めた。また、住宅の施工現場で撮った写真を Google ドライブ で社内の他部署と共有することに活用するケースも出始めているという。

「以前は、デジカメを社内に持ち帰って共有フォルダにアップする、という作業が必要でしたが、G Suite 導入後はモバイル端末で撮った写真をその場で共有できます。このスピード感が好評ですね」(村上氏)

導入を検討した時から、長野氏らも Google ドライブ の活用を考えていたという。

「役員は、外部でもファイルにアクセスして資料が見れることが大変便利と評価していました」(長野氏)

また、経営会議の資料なども、権限に応じての Google ドライブ での共有化が進み、徐々にペーパーレス化が広がっている。

従来、毎週支店の業績を集計するのに、各支店から送られた Excel をマージする作業が発生していたが、スプレッドシートを Google ドライブ で共有することで当該作業は一掃された。

「こうした細かい作業がどんどん効率化されていっていると思います。さらに、外部でも資料やメールが見られるようになり、ワークスタイルは確実に変わりました。2015 年 4 月には、営業などの外勤の社員全員にも iPad を配布し、この流れをさらに推し進めようと考えています」と長野氏は結んだ。