導入事例

ミサワホーム株式会社

「G Suite のデモを見て、衝撃を受けました。「周回遅れ」のシステムを一気に最先端に更新できました。」

情報システム部システム推進課長兼 業務改革推進プロジェクト 高島 巌さん 情報システム部長兼 業務改革推進プロジェクト 宮本 眞一さん 情報システム部システム企画課主幹 古澤 和仁さん

システムの二重投資の解消が大きな課題に

ハウスメーカー大手のミサワホームグループは、2011 年 11 月、連結対象の 47 社に G Suite を 1 万アカウント導入した。事の発端は、2010 年 10 月に立ち上がったシステム再構築プロジェクト。ミサワホームは、2000 年代半ば、厳しい経営状況から IT 投資を抑制した時期が続き、会計・受発注などの基幹システムは、「 2000 年問題」が取りざたされた当時に構築したものを 10 年以上使っていたのである。「業績も回復してきたので、“周回遅れ” のシステムを一気に最新のものにリニューアルしようということになり、ユーザー部門の代表者が集まってプロジェクトチームが結成されました。そこに我々も加わり、グループウェアのリプレイスを提案したのです」と企画管理本部情報システム部長と業務改革推進プロジェクトを兼務する宮本 眞一さんは言う。

同グループは、メーカーであるミサワホームと全国に展開する販売会社などで構成されている。ミサワホームは、グループウェアとしてdesknet's® とオープンソースでの自社開発を組合せて導入していたが、これを各販社に情報を伝達するシステムとしても利用していた。しかし、自社内のグループウェアとしてそのまま導入する販社は一部に止まっており、販社によって適宜サイボウズ®、StarOffice® といった様々な製品が導入されていたのである。

「一口に販社といっても、従業員数は 100 人程度から 1000 人を超えるまでと違いがあります。従来の手法は、当社ではカスタマイズが難しいので、各社に適した製品を統一導入する必要があったわけです。しかし、このことにより、システムの二重投資やデータの移行といった手間が生じていました。システムの再構築を機に、これを1つに集約することでデータの連携を取りやすくし、かつコストも削減すべきと考えたわけです。そこで、企業規模を超越する使い勝手のよい製品を探すことにしました」

そして、5 カ月ほど時間をかけ、一旦は某社のグループウエアを選定した。

メールのトラブルと BCP も問題に

そんな時に発生したのが、東日本大震災である。同社のメールサーバーにダメージはなかったが、否応なく BCP を見直す必要に迫られた。

もう 1 つ、課題があった。メールシステムである。ミサワホームでは、自社メールサーバをオンプレミスで導入し、クライアントとして Outlook Express® を利用していたが、ヘビーユーザーは端末にダウンロードされるメールのデータが満杯になって、端末がフリーズしたり、データが消えてしまうといったトラブルに悩まされていた。同様のシステムを導入している販売会社の中には、システム担当者は1人しかおらず恒常的にメンテナンスに追われるケースもあった。また、ノートパソコンを社外に持ち出す場合、ハードディスクに個人情報となるデータが保存されている端末をどこかに置き忘れるといったセキュリティ上のリスクもあった。「もちろん、社外での端末利用を禁ずるルールはあったものの、業務上致し方なく使用する場合も多く、徹底されていなかった」と宮本さんは打ち明ける。同じく、システム再構築の際に、この問題にもメスを入れようということになった。そこで、宮本さんらはクラウド型の Web メールに着目。 Gmail はじめ、複数の製品を検討し始めた。

そんな時に発生したのが、東日本大震災である。同社のメールサーバーにダメージはなかったが、否応なく BCP を見直す必要に迫られた。

電話がつながらないことに、皆が大きなストレスを感じさせられました。メールは使うことができましたが、もしメールサーバーがやられたら大変なことになると思わされたのです。しかし、それ以上に電話のように即時的にコミュニケーションが取れる手段をいかに確保するかが大きかった。話さえできれば、後は何とかなると思えたからです」

Google トーク が有効な BCP 対策に

Google ドキュメント や Google カレンダー など便利な機能が豊富に搭載されている上に、マルチドメインも装備されていると聞いて目を見張りました。... しかも、料金は他の同種製品のざっと半額程度。

2011 年 6 月のこと。来社した Google の営業担当者は、Gmail の機能などについてひととおり説明を終えると、グループウェアについて水を向けた。その時はすでに他社グループウエアが内定していたが、宮本さんらは G Suite のデモも見ることに。そして衝撃を受けた。

「 G Suite は知ってはいましたが、正直、個人向けの製品だと思っていたのです。しかし、デモを見ると企業向けのグループウェアと何ら遜色がない。Google ドキュメント や Google カレンダー など便利な機能が豊富に搭載されている上に、マルチドメインも装備されていると聞いて目を見張りました。その上、 Google トーク によるビデオや音声チャットが有効な BCP 対策になることも確認できました。しかも、料金は他の同種製品のざっと半額程度。もうメールだけでなく、グループウェアもこれでいいじゃないか、と(笑)」

宮本さんらが衝撃を受けたのには伏線があった。企画管理本部情報システム部システム企画課主幹の古澤 和仁さんは次のように言う。

「グループウェアの選定プロセスにおいて、最先端のオフィス統合コミュニケーションシステムのデモも見に行きました。最新バージョンは実に素晴らしく、これが導入できればいいなぁと思わされましたが、ポータルアプリの新規展開と関連ソリューション構築のコスト面から導入を見合わせていた経緯があります。G Suite は、同等かそれ以上のことがはるかに安く実現できるわけです。夢のようでした(笑)」

宮本さんらは、それまでもクラウドには関心を持っていたが、時期尚早と考えていた。しかし、震災でそんなことは言っていられなくなった。

「その前から大企業でも導入するケースが増え始めていましたし、オンプレミスにすると、また 4 ~ 5 年拘束されます。また、従来はスクラッチで開発していた会計システムもパッケージを利用することに再構築プロジェクトで決めました。ならば、グループウェアもこの際一気に最先端のクラウドに変えようということで、G Suite に決めたのです」(宮本さん)

各部署から『早く導入してほしい』という声が

従来、システム部は社内に向かって『やらなければならない』ことをお願いし、いい顔をされない立場でした。それが一転し、各部署から『早く導入してほしい』という声が集まったのです。こんなことは過去、ありませんでした。

そして、2011 年 7 月初旬に 20 アカウントをシステム部門に試験的に導入。「実際に使ってみると、使い勝手が非常にいいことがすぐわかった。そこで、販社のシステム部の責任者などにも呼びかけたところ、『早く使いたい』という希望者が相次いで、7 月下旬に 600 アカウント追加し先行導入した」と古澤さんはいう。その後、11 月中旬までに 1 万アカウント導入したが、旧システムからの移行期間を置く必要があるので、グループ全体での正式な利用開始は 2012 年 1 月からである。

先行導入した利用者からは、G Suite について高い評価の声が寄せられているという。

「まずは Gmail の検索力の高さはさすがだと。従来は過去のメールを探すのに時間がかかっていましたが、Gmail はあっという間に探せますから。また、ラベル機能も便利という声が上がっています」(宮本さん)

Google ドキュメント も、さっそくシステム担当者の間で Q&A 表が作成されていった。「誰かが質問を投げかけると、誰かが答える。みるみる FAQ が出来上がっていった。しかも、全員でも、特定メンバーにも制限できる。これは使えるということになった」と古澤さん。そして、企画管理本部 情報システム部システム推進課長の高島 巌さんは、次のように評価する。「我々システム部員は、社内に新システム導入について説明する前に、そのシステムにほれ込まなければならないと考えています。そうでなければ、社内に浸透させることは難しいからです。その点、G Suite は、Google の営業担当者のデモを見た瞬間にほれ込むことができました。そのインパクトを、そのまま社内に伝えています。従来、システム部は社内に向かって『やらなければならない』ことをお願いし、いい顔をされない立場でした。それが一転し、各部署から『早く導入してほしい』という声が集まったのです。こんなことは過去、ありませんでした」

G Suite の導入により、システム二重投資の解消とともに、業務効率の向上も大いに期待されるところだ。

※ G Suite (旧 Google Apps for Work )