導入事例

柏原赤十字病院

G Suite により院内のコミュニケーションを促進。全ては患者と地域のために。

アナログからデジタルへの飛躍

インターネット環境の整備を機に、情報システムを一気にデジタル化してスタッフの利便性と業務効率の向上を目指そうと、G Suite の導入を決定し、全スタッフと医療事務や設備管理の委託会社にアカウントを発行しました。

柏原赤十字病院が G Suite を導入したのは 2011 年の 5 月。電子カルテの導入に伴うインターネット環境の院内整備に伴い、それまで使っていた院内システムを全て見直した際に選んだのが G Suite だった。「それまでは、メールやグループウェアのアカウントは部署単位でしか割り当てておらず、またパソコンの台数も限られていたため、基本は庶務課が全てのメールとスケジュールを把握して、スタッフは庶務課に電話や対面で口頭確認するという、アナログに近い感覚で情報共有をしていました」と柏原赤十字病院の企画情報課長の泉 恒光さんは言う。「しかしインターネット環境の整備を機に、情報システムを一気にデジタル化してスタッフの利便性と業務効率の向上を目指そうと、G Suite の導入を決定し、全スタッフと医療事務や設備管理の委託会社にアカウントを発行しました」

また、柏原赤十字病院は 170 名強の常勤と非常勤のスタッフを抱えるが、その規模にしては珍しく、全て院長が率先してシステムの導入に関わったことも面白い。「院長が就任されたのはちょうど 2 年前なのですが、情報のデジタル化の大切さと、デジタル化によるスタッフ間のコミュニケーションの促進の大切さを認識されている方でした。G Suite の採用を提案したのも院長でしたし、導入後の用途を私たちと一緒に常に考えて下さっています」と泉さん。トップダウンによる組織のデジタル化と、デジタル化によるスタッフ間の連携を実現した好例だ。

G Suite をあますことなく活用

情報を一箇所に集約して閲覧性を高めると同時に、一患者に関係する医師や看護師、そしてコメディカルのスタッフがチームとして治療にあたるための情報共有がなされている。

柏原赤十字病院では、G Suite の様々なアプリケーションをあますことなく活用している。2 年前まで業務処理がアナログだったことを微塵にも感じさせない。Gmail や Google カレンダー、そして Google ドライブや Google ドキュメントはもとより、Google+ や Google ハングアウトに至るまで、細かく用途を定めると同時に、ほぼ全ての情報を G Suite に集約している。「カレンダーでは、スタッフのスケジュールやシフト管理だけでなく、各種プロジェクトや会議室にゲストアカウントを発行して、プロジェクトの進捗状況や会議室の予約状況の確認にも使っています」と柏原赤十字病院の医療課長の浅原 光代さんは言う。「またドライブは、出張報告や破損修理依頼等のテンプレートの置き場所としてだけでなく、会議前にアジェンダを入れておいて各自が気になることを追加していくという用途にも最適です」

これ以外にも、Google スプレッドシートを使って学会発表のアンケートデータを集計したり、患者の救急搬送先のデータベースに活用する等、リアルタイムにアップデートして共有できるという G Suite の特徴をうまく利用した使い方をしている。「 G Suite の機能だけでなく、Google が提供する他のサービスとの組み合わせにおいても、Google はもはや当院に欠かせない存在となっています。例えば、訪問看護先や当院と連携する開業医院には Google マップ上にフラグを立て、それを患者のお名前や担当開業医のお名前をまとめたドキュメントと連携して利用したりもしています」と浅原さん。つまり、情報を一箇所に集約して閲覧性を高めると同時に、一患者に関係する医師や看護師、そしてコメディカルのスタッフがチームとして治療にあたるための情報共有がなされている。

患者と地域とのよりよい関わりを

また、柏原赤十字病院では、G Suite を院内の情報シェアのためだけに利用するにとどまらず、日々の患者とのコミュニケーションや地域との連携にも積極的に活用している。「訪問看護班には iPad を支給して、ハングアウトを利用した診察を行なっています。これにより、病院まで足を運べない患者様に、より手厚い診療が行えると同時に、より多くの患者様の診療が可能になります」と柏原赤十字病院の看護部看護師長の杉上 恭子さんは言う。「また、当院では『呼吸ケアネットワーク』という地域活動を行なっており、この情報発信に Google+ を利用しています。丹波を、慢性呼吸器疾患を持つ人が安心して住める地域にすることを目的としており、地域の施設や個人と連携しながら活動しています」

G Suite がもたらす様々な付加価値

G Suite のような共有サービスをうまく利用することにより、医師だけでなく、看護師やコメディカル、そしてバックオフィスを含めた『チーム』で患者様のサポートに当たっていきたいと考えています。

しかしこのアナログからデジタルへの大きな飛躍、導入にあたり院内に混乱はなかったのだろうか?「G Suite は非常に分かりやすい操作体系で、スタッフが馴染むのにそんなに時間は必要としませんでした。導入後 2 ヶ月目に行ったアンケートによると、およそ 86 % のスタッフが『導入して良かった』と答えています」と泉さんは言う。「勉強会を開催する他に、日常レベルで分からないことがあれば教え合っています。その意味では、直接は業務に関わりのないコミュニケーションが以前よりも増え、Google のサービスによって院内の風通しが一段と良くなったとも言えます」と杉上さん。「また今では、看護部では独自の院内サイトを作っていて、『看護部長の部屋』や『自由席』といったフリートークの場を設けて楽しんでもいます」

また、G Suite の導入により、思わぬ副産物もある。これまで紙の資料で行なってきた打ち合わせや情報共有がデジタル化されたことにより、印刷やコピー関連の経費が 5 割近く削減された。「以前は会議や勉強会があるごとに資料を印刷していましたが、今では資料をドライブに入れて、印刷するかしないかは各自の判断に任せています。また、Google+ で作った社内サイトに行けば全ての情報がそろっているため、印刷する必要性が減ったことも考えられます。例えば、これまでは訪問看護をする際に、患者様の情報を印刷し、ご自宅の地図を印刷し、診断書をコピーして、といった作業が、今では一つのサイトに集約されて閲覧できます」と浅原さんは言う。

「共有による情報の集約とコミュニケーションの促進こそが、G Suite の最大の特徴だと考えています。今後もスタッフ間にとどまらず、患者様や地域とのよりよいコミュニケーションを実現していくためのツールとして、G Suite を活用して行きたいと考えています」と泉さんは言う。「救急受け入れには、医師の数もまだ十分でなく、慢性的な支援不足の状態です。しかし G Suite のような共有サービスをうまく利用することにより、医師だけでなく、看護師やコメディカル、そしてバックオフィスを含めた『チーム』で患者様のサポートに当たっていきたいと考えています。また、当院では患者様同士のコミュニケーションの場として『くらしの保健室』という場をオンラインで提供していますが、オンラインをどうやって実際の生活の場と結びつけていけるかも大切な使命です」と杉上さんは締めくくった。